
PER(ピーイーアール又は、パー)とは株価収益率のことで、会社の『収益力から見た株価の割安さ』を図る指標です。
1株あたりの利益を尺度として、株価がその何倍かをみる指標になります。
経済ニュースや雑誌をみると、時たま見かける用語なので覚えておきましょう。
目次
高PERは高くなるに比例して割高、低くなるとそれに比例して割安
PERは『株価÷1株利益』という計算式で算出されます。
イメージとして、次の図のように1株利益を基準に株価が、その何倍かを見る指標です。

仮に株価が10万円で1株当たり利益が1万円なら、PERは10倍となり、1株利益が2万円ならPERは5倍となります。
後者の方が割安ということになります。
基本的にはPERが高くなるとその数値に応じて割高、反対に低くなるほどその数値に応じて割安という見方になります。
ちなみに、市場で割安と呼ばれる銘柄を『バリュー株』と呼びます。
標準的なPERは大体15倍くらい
実際のところ明確な基準はありません。業界によっても大きく異なります。
一般論になりますが、一つの目安として15倍くらいが標準的な水準とされています。
それより、大幅に安ければ割安とみることができます。
これには由来があるのですが、過去の株式市場にある膨大なデータを調べたところ、PERの市場平均値は約10倍から20倍程度の域で推移していたことが分かりました。
強気相場では平均PERは20倍で弱気相場であれば平均10倍になるので、その間が15倍である。ということになります。

低PERに裏を考えることが重要
PERの低さをそのまま割安と受け取ってしまってはいけません。
中にはそれを裏付ける『何かが』ある場合もあるので、一度疑って調べる癖をつけましょう。
実例を見て考え方を学ぶ

2008年のプロパストの株価チャートを見てみましょう。
同社は東京を中心にブームとなったデザイナーズマンションの開発業者でした。
業績もなかなか高水準であるにも関わらず、株価は右肩下がりになり、同年7月には株価のピークの5分の1まで下落、PERは2.5倍と一見かなりの割安株となりました。
何も知らずにいると『憧れのデザイナーズマンションを手掛けるセンスのいい会社で、業績もいいのにめちゃくちゃ安い!!買いだ!!』となることでしょう。
PERの低さの理由を調べてみる
プロパストの株価はピークから5分の1までの下落に止まることはありませんでした。
そこから更に80分の1まで下がります。
この背景にはあるのは、マンションブームに乗っかろうと多額の借金をして土地などを購入しましたが、直後に流行の熱が急速に冷めていき、マンションが売れなくなってしまったという事情があります。
一度購入した土地は、売却しようとしても中々簡単に売れるようなものでなく、資金繰りが厳しい状況に陥りました。
結果、財務諸表上の自己資本比率も低く、PERも極端に低くなるという状況の出来上がりです。
このように割安株(バリュー株)を探る時、『何故PERが低いのか』を考えてみるようにしましょう。
調べた結果、特に悪い材料は見当たらなく『事業内容はいいし、足元の業績が好調で、将来性もある』のであれば、多くの投資家から見過ごされている値上がりの期待できる銘柄かもしれません。
- 成長株から転落する高PER銘柄の危険性【3858】ユビキタス
- 1株益とPERが上がれば株価も上がる 【2681】ゲオと【2371】価格コムの事例
PERに関連するケーススタディになります。
ここでのポイントをまとめよう
- PER(株価収益率)とは、収益力からみた株価の割安さを図る指標である。
- 15倍を基準に高ければ割高、低ければ割安である。
- 極端な割安株(バリュー株)は、その理由を調べてみる