
株価が60倍になった上昇相場の初期段階を見ていくと、テクニカル分析の基本に従うことで、事前に捉えることが可能であると分かります。
投資の入門に限らず、上級者であっても基本を押さえた上で投資判断を行っていくことは長期的に勝ち続けるために必要になります。
テクニカル分析の基本から歴史的大相場を捉える
過去のチャートを振り返る前に注意点をお伝えします。
2002年を最後に過去6回わたり株式分割を行っているファーストリテイリングは2021年6月15日時点(執筆日)での株価と当時の株価で差異が生じていますことをご了承ください。
1997年10月から1998年12月までのチャートから『もみ合いからの上放れ買い』と『上昇トレンドの押し目買い』の2つの戦略の実例として紹介します。

相場が360円付近でもみ合っていましたが98年12月11月に突然急上昇して、もみ合いを強く上放れしました。
当時のファーストリテイリングは、製造小売りというビジネスモデルで海外から安く製造した物を国内で低価格で大量販売する販売戦略をとっていました。
その販売店舗のユニクロを98年の11月に原宿にオープンさせたことをきっかけにユニクロが大流行し、その後数年に及んで日本全国に波及するユニクロブームが開始されるところでした。
火付け役となったのはユニクロのフリースです。
今でこそお馴染みのフリースですが、当時は高価だったフリースを低価格でありながらもその機能性と豊富なカラーバリエーションが話題となり、一躍ブームとなりました。
13週移動平均線が押し目買いの目途となる
この後も上昇が続くファーストリテイリング株は、何度か下落して押し目をつける場面があります。

1枚目のチャートからその後爆竹の勢いで上昇していきました。
その中で見られる押し目は丁度13週移動平均線が目途となっています。
この時ファーストリテイリング株に投資したいと思っても、その上昇の勢いについていけなかった人は少なくないと思います。
そういう人たちは『下がったら買おう』と考えていますが、掴みきれなかった投資家の数は相当数いたと思います。
逆もしかりです。
安い水準で株価を買った人達は、株価が上昇するにつれて『利食い』を考え始めます。
そういう人たちの売りで株価が下がっても、13週移動平均線あたりまで下がると買う人が増えて、株価が反発するといった内容です。
移動平均線というのは、投資家が売買をするときに意識する線であり、結果的に株価の反転ポイントとして機能することが多くなります。
